化学療法による口腔内副作用防止のための口腔ケアプロトコールの作成
Project/Area Number |
15791080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathobiological dentistry/Dental radiology
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
伊野 透子 (平野 透子) 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (40267232)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 化学療法 / 口腔ケア / 味覚異常 / 歯肉炎 / 口腔乾燥 / 副作用 |
Research Abstract |
研究実績の概要 化学療法対象患者に対し口腔内環境の基礎データを採取し、口腔粘膜への抗癌剤による細胞毒性の影響を調べ,歯科医療者の専門的介入による効果を分析し,予測,検証した.対象者は,A病院の乳癌患者とB病院の舌癌、歯肉癌、口底癌患者であり,口腔ケアはA病院では行われておらず,B病院では定期的に口腔ケア行っている。調査項目として口腔内診査(歯式,プロービングデプス(PD),出血点(BOP),唾液分泌量検査,ミュータンス菌検査(サリバチェックSM),唾液緩衝能検査(サリバチェックバッファ検査セット),食塩味覚閾判定テスト(ソルセイブ),唾液湿潤度検査,唾液の曵糸性検査,アンケート調査,血液検査を行なった.本研究の結果より、対象者の50%に化学療法の副作用として、塩分感覚低下の症状がみられたことから、食欲の減退、ひいては栄養摂取不良につながる恐れがあり、栄養指導の必要性がうかがわれた。BOPの値が化学療法中は低くなる傾向がみられたことは、化学療法中は免疫力が低下し、抵抗力が低くなっているのにもかかわらず、免疫反応の現れである出血という炎症の指標が消えてしまうことを意味していると考えられる。そのため口腔内状況が悪化してもその状況を把握しきれず、さらなる増悪を引き起こしかねないことが危惧される。アンケート調査の結果から、う蝕リスクが増大していることが推測された。口腔ケアと市販飲料水が及ぼす口腔内への影響の認識が必要と考えられた。歯科外来を持たないA病院では、歯科医の介入、口腔ケアの必要性の徹底がなされておらず、医療関係者や化学療法患者に対し、歯科医の介入の可否、口腔ケアの必要性の徹底、普及が必要であろう。結果として,口腔内環境の悪化しやすい化学療法中の患者に対する口腔ケアの重要性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)