Project/Area Number |
15791106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
矢野 淳也 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (00347676)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 根面齲蝕 / 齲蝕予防 / 歯周ポケット / スケーリング・ルートプレーニング / スクーリング・ルートプレーニング |
Research Abstract |
研究実施計画に従い、歯周ポケット内に適用する徐放性の歯根面齲蝕予防剤の開発のための研究調査を平成15年度より17年度までの3年間にわたって行った。 薬液の適用想定範囲はスケーリング・ルートプレーニング(SRP)を行った後の露出歯根面であり、適応部位をモデル作成して適応歯面を再現し電子顕微鏡での観察を行った。その結果、表層にはSRPにより形成されたスメア層が存在していることが確認された。 また、スメア層が存在する状況での齲蝕予防剤を適用するにあたり、通常では薬剤の効果を高めるためにスメア層は酸などのエッチング剤などで歯面処理を行うが、今回の計画ではSRP後の歯面を想定しており、象牙質知覚過敏の発生も予想される。そのため露出象牙質への影響を少なくするという観点から、積極的にスメア層を除去するのではなくスメア層が存在する状態での薬液応用を決定した。歯面に対する齲蝕予防剤としては上述の条件より、歯面への特殊な接着を要求されず、また象牙質知覚過敏への対応の期待も含めてフッ素をベースとしたものに決定した。 使用するフッ素の濃度は、電子顕微鏡で歯面の構造変化を認めた1%以上(より大きな構造変化を期待するのであれば2.5%程度まで選択可能)のフッ化ナトリウムを用いることを決定した。また、フッ素の取込み深度はX線マイクロアナライザーによる分析から、歯面表面より深さ10μm以下の範囲であるということが判明した。 これらの条件より、1週間程度ポケット内に留まり齲蝕予防効果を徐放する性状を有する薬剤の基材の選択を行っている。従来より使用されているワックス系の他、水性ゲル・ゾル系の性状のものや吸収性のコラーゲン等を勘案しているが、決定には至っていない。 当初3年間で試作根面齲蝕予防剤の作成までを予定していたが、根面に適用するのに適切な要件を満たす基材の選択と、薬剤の決定は完了しておらず、研究の継続を予定している。
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