Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
前年度より試作中の1つの人工歯根を植立し、ゲージを貼付した上で、この人工歯1歯で条件を変えた上部構造物をそれぞれ装着してデータを取る方法で実験を続けたが、ゲージを貼付したままの作業は困難であり、また小さければ小さいほど複数試料の再現性を得ることが難しい。模型実験の欠点を補うために試料の均一化を図る努力が必要であるが、現状では試料を統一化できるのはエポキシでの人工歯根のみである。しかしエポキシでは材質の問題から歪みデータが天然歯と同様には考えられないという欠点があり、前回は牛歯での実験を試みた。しかし、最近では天然歯だけでなく、狂牛病などの問題から牛歯も手に入らなくなってきている。またエポキシは表面の形状は同じでもコアのための形成や歯冠部の削除を同じ形にすることは難しく歯冠部を落し、コアのための形成を行ったエポキシ人工歯の完成物を鋳型などで複数製作することがエラーを取り除く最適な方法と思われたが、費用がかかりまだ構想案でしかない。また最近は作業を行ないやすくするために3倍大模型などの使用も試しているが、3倍にした状態での等倍模型との相関性を見いだせれば、再現性、作業のしやすさなどの点からかなり期待できるのではないかと考えている。現状ではこの3倍大模型の試作を続けている。今後も同様の試作を行っていく予定である。