Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
1.アルミナ繊維強化アルミナ複合体(CMC)の試作およびその特性 α-アルミナセラミックスとγ-アルミナ長繊維を複合化した,CMCシートを作製し,卓上型高速昇温電気炉を用い大気中において1000℃で焼成することで,CMCを試作した.焼成後のCMCの体積収縮率は,アルミナ単体と比較して0.45に減少した.また曲げ強さおよび曲げ弾性係数は,アルミナ単体と比べてそれぞれ12倍および16倍向上し,優れた曲げ特性を示した.これはCMC内部のSEM像から,繊維/マトリックス界面が密に結合されている様子が確認でき,結果として繊維の高強度を最適に引き出したものと考えられた。 2.焼成温度(900〜1200℃)による影響 焼成後のCMC表面のSEM像からは,すべての焼成温度において,緻密に焼結できていることが確認できた.またCMCの曲げ強さは,焼成温度が高くなるにつれて減少した.焼成温度が900〜1100℃の場合のアルミナ繊維のX線回折結果からは,γ-アルミナのピークが確認できた.一方,1200℃ではムライトの結晶の生成が見られたことから,曲げ強さの低下の理由として,アルミナ繊維の劣化が考えられた. 3.CMCの数値モデル化および損傷進展解析 CMCを構成する繊維とマトリックスを独立してモデル化し,それぞれにTsai-Hill則とVon-Mises則の破壊則を適用して,CMCの損傷進展解析を行った.数値解析の結果,本研究で作製したCMCの損傷過程は,マトリックス破壊→繊維/マトリックス界面の破壊→繊維破断であることが確認でき,CMC内部の損傷進展の様子を把握することができた. 以上,本研究においてCMCの構造機構および力学的特性をミクロおよびマクロの観点から明らかにすることにより,歯科用CMCを設計する上で必要な繊維/マトリックス界面機構に関する重要な知見を得ることができた.
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