歯原性顎嚢胞の病態解析およびマイクロカプセルを用いた治療法の開発
Project/Area Number |
15791173
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Surgical dentistry
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
二宮 史浩 九州大学, 歯学研究院, 助手 (10346801)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 歯原性顎嚢胞 / KGF / マイクロカプセル / IL-1α / 歯原性角化嚢胞 / 陽圧刺激 / keratinocyte growth factor / interleukin-1α / 含歯性嚢胞 / interleukin 1_α |
Research Abstract |
顎骨内における発育増大速度の著しい歯原性角化嚢胞(KC)の裏装上皮細胞は、含歯性嚢胞(DC)の上皮細胞と比較して高い増殖活性を示す。その一方で、KCでは開窓術後において、その増殖活性が低下するとともに上皮層の肥厚がみられる。そこで本研究では、陽圧刺激がKCに与える影響やKCにおける増殖誘導因子の関与を調べた。 その結果、陽圧刺激がKCの上皮細胞におけるIL-1α mRNAや蛋白の発現を増加させ、培養上皮細胞や培養線維芽細胞からのMMP-1,-2,-3およびPGE_2の分泌を増加させることが解った。また、KGFやEGFおよびそれぞれのレセプターであるKGFR、EGFRについてその蛋白の発現を調べたところ、(1)KGFはKC、DCともに上皮細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞に発現していたが、線維芽細胞でのKGFの発現はKCの方が高い傾向にあった。(2)上皮細胞でのKGFRの発現頻度にはKCとDCにおいて差はなかった。また発現部位はKC、DCともにKGFと異なり、上皮層の上層に認められた。(3)EGFの発現部位はKGFと異なり、KC、DCともに上皮層の上層に認められた。また、線維芽細胞、血管内皮細胞には発現をほとんど認めなかった。(4)上皮細胞でのEGFRの発現頻度には、KCとDCにおいて差はなかった。また、発現部位はKC、DCともに上皮層の上層に認められた。(5)EGFRはKCの開窓時および開窓後の摘出時との間に有意差を認めた。これらの結果よりKGFやEGFはKCの上皮細胞の増殖活性には直接関与せず、細胞の分化やアポトーシスに関与していることが示唆された。 以上のことから、歯原性角化嚢胞の発育増大には陽圧刺激やIL-1αが深く関与しており、これを応用した開窓療法と併せて行うIL-1αの抗体を組み込んだマイクロカプセルによる治療法は有効であると思われた。
|
Report
(3 results)
Research Products
(2 results)