低リン血症性くる病マウスの象牙芽細胞でのオステオカルシンの過剰発現に関する研究
Project/Area Number |
15791204
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthodontic/Pediatric dentistry
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大西 智之 大阪大学, 歯学部附属病院, 助手 (30303978)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | Hypマウス / osteocalcin / X連鎖性低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病 / Real-time RT-PCR法 / 象牙質石灰化不全 / HyPマウス / X連鎖性低リン血症住ビタミンD抵抗性くる病 |
Research Abstract |
Hypマウスは,X連鎖性低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病(XLH)の疾患モデルマウスであり,骨および象牙質石灰化不全を有している。我々はこれまでに,骨や象牙質の石灰化に関与するオステオカルシン(OC)mRNAの,形成途上のマウスの骨や歯における発現量を定量し,Hypマウスでは野生型マウスより有意に多くOC mRNAを発現していることを示した。本研究では,HypマウスにおけるOC mRNA発現量の増加が血中リン濃度の低下に起因するのか,あるいは象牙芽細胞の異常によるのかを検討した。その結果, 1.生後2日齢のHypマウス雄(-/Y)の血中リン濃度は,同胞の遺伝子的には正常なマウス雄(X/Y)と同程度であったが,歯胚におけるOC mRNA発現量は有意に高かった。 2.生後2日齢のHypマウス雄(-/Y)の象牙前質の幅は,同胞の遺伝子的には正常なマウス雄(X/Y)より有意に広かった。これは,Hypマウスの象牙質形成異常の特徴の一つである。 3.胎生17日齢のHypマウスと野生型マウスの歯胚を取り出し,同一条件で10日間培養した結果,Hypマウスの培養歯胚におけるOC mRNA発現量は野生型マウスと比較して有意に高かった。また,野性型マウスの歯胚を低リン濃度の培地で培養した場合,通常の培地で培養した歯胚と同程度のOC mRNA発現量を示した。 4.骨芽細胞様細胞株MC3T3 E1にXLHの原因遺伝子であるPhex遺伝子のアンチセンス配列を強制発現させることにより,Phexの発現を抑制した結果,石灰化ノドゥールの形成が抑制され,OC mRNA発現量は有意に上昇した。 今回の研究は,HypマウスにおけるOCmRNAの過剰発現は,血中リン濃度の低下に起因するのではなく,骨牙芽細胞や象牙芽細胞といった硬組織形成細胞自体の異常が原因である可能性を示唆している。さらに,OCmRNAの過剰発現には,Phexの機能異常が関与している可能性が示唆された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)