明治大正期の『実業之日本』の修養言説に関する思想史・メディア史的研究
Project/Area Number |
15H00007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
哲学・芸術学
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Research Institution | 文部科学省 |
Principal Investigator |
森上 優子 文部科学省, 教科書調査官
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2015: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 『実業之日本』 / 修養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、雑誌『実業之日本』が明治大正期に発信した修養に関する言説に注目し、その言説の思想的特徴、編集顧問(1909~1912)として修養言説を継続的に発表した新渡戸稲造(1862-1933)と他の修養言説の執筆者とが有していたネットワークについてあきらかにすることを目的とするものである。 上記の目的に向けて以下の計画で研究を実施した。雑誌『実業之日本』は主に国立国会図書館で収集を行った。収集した資料については量的分析(執筆者、タイトル、掲載年)、質的分析(執筆者の思想、頻出ワードを手がかりとした内容の分析)を行った。分析の結果、当該時期における修養言説の中心的な執筆者は増田義一(実業之日本社社長)、新渡戸稲造、浮田和民(大正期中心)らであったこと、他の執筆者としては渋沢栄一などの実業家、教育者、宗教家を確認することができた。そして、そこに新渡戸と実業之日本社、早稲田大学関係等との知的ネットワークを見出すことができた。修養言説の内容では苦境を乗り越え「成功」するための心の鍛錬が重視され、成功者の体験や古典を取り上げて具体性を持たせて説くことが多くみられ、「実業国民」の人格教育のあり様として注目される。 研究成果として、その一部を「『実業之日本』と修養」(日本宗教学会、2015年9月)など、学会や研究会で口頭発表を行った。今後、口頭発表をもとに論考を学会誌に投稿する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)