Project/Area Number |
15H00015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
国語・国文学
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Research Institution | 京都府京都文化博物館 |
Principal Investigator |
長村 祥知 京都府京都文化博物館, 学芸員
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2015: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 持明院家 / 古典籍 / 実物資料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主たる目的は、日本中近世の公家である持明院家が旧蔵していた資料について、特に実物資料の形態や資料群の性格・旧秩序に注目して調査を進めることにあった。 藤原氏北家頼宗流の持明院家は羽林家の家格を有した中級貴族で、中近世には入木道(書道)・鷹・神楽を家業とした。先行研究では、所領経営に関わる古文書や鷹書・入木道・蔵書目録についての研究が発表されているが、同家の旧蔵文書についての研究は、なお十分とは言い難かった。 持明院家の旧蔵文書は、京都大学・広島大学の所蔵資料が知られているが、本研究では特に、従来あまり知られていない京都文化博物館所蔵「持明院家文書」の悉皆的な実物調査を進め、装丁・員数・表紙・縦横寸法・丁数(紙数)等の形態情報と、題名・奥書・印記等の文章情報について調査を行った。 同文書群は、御神楽や催馬楽・篳篥・郢曲・宴曲・御遊・拍子合といった音楽関係の題を持つ資料が目立ち、その他、節会等の儀式関係の日記類の抜書や符案、儀式下絵等からなる。大半は近世の写本であるが、室町時代の康正3年(1457)に書写された袋綴装冊子本もある。また、室町時代~江戸時代の文書紙背に琵琶や五調子等の音楽に関わる日記抜書を記した巻子本もある。いくつかの資料には朱文長方印「持明院/校正秘本」が捺されている。また、奥書から、その資料を書写した者が判明するものもある。 以上のごとく、持明院家の重要な家業である神楽に関わる資料群であることが明らかとなった。 これらについて、目録を基軸とする論稿の公表に向けて執筆を進めた。 また、博物館における古文書・古記録等の文献の実物資料を用いた展示や教育に関わって、近年の展示で注目されること、および小学生を対象とする参加体験型学習の実践例を整理した論稿を公表した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)