思考過程の共有による科学的思考・判断・表現力の育成に関する教育心理学的研究
Project/Area Number |
15H00046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学・心理学
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Research Institution | 岡山県真庭市立落合中学校 |
Principal Investigator |
谷本 薫彦 岡山県真庭市立落合中学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 思考過程の共有 / ICT / タイムラプス |
Outline of Annual Research Achievements |
生徒同士で思考過程が共有できれば、事物・現象の本質をつかんだり、自律的に思考したりすることにつながるのではないかと考え、本研究に取り組んだ。対象は公立中学校3年生4クラス計133名「地球と宇宙」全28時間である。思考過程を共有する手段として、各班に設置したiPadで思考の場面を録画し、PCで制御してライブで8班の様子を前のプロジェクターに映し必要に応じて共有できるようにした。授業実践を5時間行った時点で分析すると、2つの課題が明らかになった。①自分達の活動に取り組むことが精一杯で他の班を参考にする余裕がない。②録画したものを見ながら自分たちの班の思考過程を振り返ることに時間をとられ、他の班の思考過程を振り返る時間を確保しにくい。 課題は、機器の操作方法に慣れても改善できなかった。そこで、思考過程を振り返る手段を20分の活動を30秒程度で振り返ることができるタイムラプスを利用して、思考のポイントとなる言葉を探しださせる方法に設計変更した。併せて、授業記録を分析し生徒の思考過程が明確に記録に残るよう、次の授業の展開や教材の修正を毎時間行った。変更後12時間で、画面を再生しながら思考過程を説明できる班が出始めた。そこで、思考過程を発表させたり、ジグソー法を用いてクラス全体へ共有させた。 研究結果は、事後の生徒へのアンケートから ①班内での思考の過程をタイムラプスで振り返ることに肯定的72% (上位層の生徒が複数いる班が肯定的、上位層が1orO人の場合が否定的) ②思考過程を共有することは学習を進める上で有効であったについて肯定的93%(上下位関係なく)。 以上から、タイムラプスで思考過程を振り返る活動は、その過程をより明確に辿ることができるので、うまくいかなかった班に対しても、いかにして結論に辿り着いたかという成功体験を共有させることができた。この体験が自律的な理解活動につながったのではないだろうか。よって本研究の有効性が示唆されたと判断できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)