相互教授法による援助提供行動が非主張的な児童の学業達成に及ぼす効果
Project/Area Number |
15H00048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学・心理学
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Research Institution | 大田区立東調布第一小学校 |
Principal Investigator |
町 岳 大田区立東調布第一小学校, 指導教諭
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2015: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 相互教授法 / 非主張的な児童 / 援助提供行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
○研究の目的 町・中谷(2014)は算数グループ学習に, Palincsar & Brown(1984)による相互教授法(Reciprocal Teaching ; 以下RT)の基本的枠組みを適用することで, 学習課題に関連した深い発話の割合や, 学業達成度が向上することを示した。しかしこれらの効果は, 児童個人の社会的特性によって異なることが指摘されており, 十分なRT介入効果を得るためには, 児童の社会的特性に応じた支援について検討することが必要である。本研究では, グループ学習への参加に抵抗感の強い児童の中から非主張的な児童に焦点を当て、RTに援助提供行動を促進する教示を加えた教授方略の介入効果を検討する。 ○研究方法 本研究では、これまで認知的側面に焦点を当てられてきた援助提供行動を、「共感性」というキーワードをもとに、認知・情動の両側面から統合的にとらえる。まず質問紙調査と担任教師に対する聞き取り調査の結果から、非主張的な社会的特性をもつ児童(A児)を抽出する。次に、グループ学習場面において、RTの基本的枠組み(町・中谷, 2014)に、認知的・情動的援助提供行動を促進する教示を加えた介入を行い、非主張的な児童(A児)及び学級全体の児童に対する介入効果を, 学業達成度・発話分析という2つの側面から検討する。 ○成果 RTに援助提供行動の情動的側面を促す教示を加えた結果, 通常のグループ学習では, 緊張して固まってしまうことの多いA児が, 途中からグループ学習に前向きに参加し, 学業達成度を向上させることができた。話し合いのプロセスを分析した結果, 同グループの友達からの「待つ」という情動的側面への援助提供行動(共感的配慮行動)が, A児の学習への参与を促した可能性が示された。本研究では、共感性というキーワードにより援助提供行動をとらえることで、今まで見落とされがちであった, 援助提供行動の情動的側面にも焦点を当てて支援することの重要性を示すことができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)