認知機能改善療法による神経性無食欲症の症状維持要因への介入効果の検証
Project/Area Number |
15H00052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学・心理学
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
沼田 法子 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任研究員
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2015: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 神経性無食欲症 / 認知機能改善療法 / 近赤外線分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
患者が自分の思考スタイルに気づけるような「課題」、「振り返りとホームワーク」を通して、日常生活上の行動変化を導く週10回40分(計10週)のセッションを実施し、CRT前後とCRT終了の3ヶ月後で認知機能の改善を評価することを目的とした。ターゲットとする認知機能はセットシフティング(認知の柔軟性)とセントラルコヒアレンス(全体統合性)とした。主要評価項目として、Brixton Test(set-shifting)、副次評価項目として、Rey-Osterriethの複雑図形(central coherence)を用いた。脳皮質活動を評価するためにその指標とされる脳皮質内酸化ヘモグロビン濃度の計測を近赤外線分光法(Near infrared spectroscopy : NIRS)を用いて測定した。1年間で16名の摂食障害患者に上記を実施し、神経性無食欲症患者14名のデータを解析した。Brixton Testのエラー数の平均は、CRT前後(前10.7, SD4.4, 後8.1, SD4.7 ; p=0.02)、CRT前と3ヶ月後(8.9, SD3.8 ; p=0.04)で有意に減少した。Reyの複雑図形では、CRT前後、3ヶ月後で有意な改善は認められなかった。しかし、自己記入式質問紙(Hospital Anxiety and Depression Scales : HADS)では不安・うつ症状がCRT前後(前17.9, SD8.8, 後15.6, SD8.9 ; p=0.02)(3ヶ月後11.6, SD10.9 ; p=0.02)と改善した。本研究では、様々な課題を通して思考の気づきとセッション内外における行動化を促した。行動化することにより思考が活性化し不安やうつ症状の得点が低下したと考えるが、認知の柔軟性に関しては、数値上の改善は認められたものの日常生活場面における汎化には難渋した。今後、セッションマニュアルを充実させるととともに残り6名のリクルートおよび脳皮質活動の解析を進めていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)