研究の目的 「いのちを考える」授業の構築と、選択履修した生徒が、生徒自身のテーマを設定して、校内下級生へ向けて一緒に考えるピアサポートの授業展開の研究と、その展開意義及び有効性の検証である。 研究の方法 新たな授業展開を構築するために先行研究と授業教材を精選した。横浜市立大学との連携で学習支援の大学生ピアサポーターと、昨年度受講した3年生にもピアサポーターを要請した。授業は12月から生徒自身がテーマを深め1学年に出前授業を行うテーマを決定した。1月からは大学生・高校3年生のピアサポーターが2年選択生徒の授業に加わり、ファシリテーターの手法・実際のサポートをした。 本番の出前授業は、3月10・11日の2日間、授業選択した2年生が、1年生のクラスに出向き、1クラス8グループに2名ずつファシリテーターとしてシェアリングを行った。 「いのちの教育」の有効性の検証ために、授業第1回目と授業終了後3月23日に事前事後調査を行った。また、ピアサポーターの有効性として、授業支援した大学生と高校3年生に事前事後の質問紙により検証した。1年生には、授業を受けた感想や授業の有効性について調査紙によって回答を得た。 研究成果 1. いのちの授業の構築について : 複眼的にいのちを考える教材を、グループワークと講義法・ジグソーやケース分析・プレゼンテーション・フィールドワーク・レポートライティングなど、多様な学び方を駆使して授業展開モデルを構築できた。 2. ピアサポートの有効性について : 授業選択生徒が、事前に出前授業の具体的イメージとシミュレーションが行えた。当日は、2年生がこれまでの学習成果を発揮して概ね円滑なシェアリングを行えた。1年生は重いテーマだが上級生と話ができた満足感と、教師よりも親近感が持てたとの感想が多く好評を得た。
|