Outline of Annual Research Achievements |
1, 研究目的 幼児と児童が小学校を授業会場にしてともに関わって学ぶことが, 「小学校に慣れること」「「協同的な学び※」が成立すること。」 以上2点につながり, 小1プロブレムを防ぐことの有用性について検証を行った。 (※中央教育審議会答申「子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について(2005年)」で幼児期の教育活動から小学校の教科教育への円滑な接続のために推奨) 2, 研究方法 A小学校では, 全校児童・教員が一堂に会して行うアクティブ・ラーニング型授業「全校『学び合い』算数授業」を毎週実施している。ここへB保育園の年長児を合流させ, 合同教科学習を実施した。 活動中, A小学校の児童にボイスレコーダーを着けさせ, 子どもの発話を記録した。また, 活動の様子を3台のビデオカメラで記録した。 活動の前後には, A小学校, B保育園の教職員にインタビューを行い, 発話をボイスレコーダーで記録した。 3, 結果 子どもの発話および教職員へのインタビューより, 次のことが明らかになった。 ・幼児が児童(上級生)に慣れ, また, 小学校の校舎や物品にも慣れることができた。 ・児童が自分の成長に気付くきっかけを得た。 ・児童と年長児がともに全員達成を目指して取り組んだ。 ・小学校教員と保育士が児童, 生徒がともに学習する姿を見ながら情報交換ができた。 以上のことなどから, 幼保小が連携して行う合同教科学習は「協同的な学び」として機能し, 幼児期の教育活動から小学校の教科教育への円滑に接続させることに有効であり, 小1プロブレムを防ぐために合同教科学習を行うことは有用性がある。
|