Project/Area Number |
15H00079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育学・教育社会学
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
薄田 千穂 熊本大学, 五高記念館, 特定事業研究員
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 旧制高等学校 / 第五高等学校 / 勤労動員 |
Outline of Annual Research Achievements |
総力戦下、教育機関は国家の生産体制に組み込まれ、勤労動員により学生・生徒は学校生活全般に影響を受け、勉学の機会を奪われた。本研究では第五高等学校での実態を明らかにすることを目的とした。 このため、勤労奉仕・勤労動員経験のある昭和14・19・22・23年の五高卒業生13名に対して聞取り調査を行った。聞き取りに際しては、五高進学の決定過程、入学後の学校生活、勤労奉仕・勤労動員の経験、学徒出陣等の戦時体験などについて項目を立てた。また、資料により勤労動員の情報を収集した。 以上により、次のような事実を確認した。五高の勤労奉仕・勤労動員は昭和13・14年の陸軍飛行場の整地に始まり、以後は周辺農村で農作業が行われた。昭和19年になると三菱重工業熊本航空機製作所、三菱重工業長崎造船所、八幡製鉄所、佐世保海軍工廠等へ学科、学年単位で組織的に動員された。昭和19年入学生は、勤労動員の動向をにらみ、入学後1年間で高等学校の課程を講義する詰め込み教育が行われた。勤労動員に際しては、その都度壮行会が行われ、動員先の宿舎では習学寮の自治方式をとることを目指した。昭和20年8月、三菱重工業長崎造船所に動員されていた生徒たちは原爆投下直後の長崎市街に救援に入り、多くが被爆した。その体験について口を閉ざしたままの卒業生も多くいる。また、昭和20年4月には五高の体育館に三菱重工業熊本航空機製作所が工場疎開し、爆撃機「飛龍」の組み立てが行われた。 聞取り調査の過程で、五高工場で使用されていた飛行機の部品と思われる金属物を収集し、五高記念館にて公開した。勤労動員・壮行会の写真や生徒が長崎への原爆投下一週間前に三菱長崎造船所小ヶ倉寮から実家に出した手紙も確認することができた。
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Report
(1 results)
Research Products
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