話し合い方略の発達を促す生成的な話し合い学習モデルの開発
Project/Area Number |
15H00111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育学Ⅰ(文科系)
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Research Institution | 広島県東広島市立御薗宇小学校 |
Principal Investigator |
酒井 千春 広島県東広島市立御薗宇小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2015: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 話し合い学習指導 / 文学教材 / 授業分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
話し合い活動が一人一人の読みの学習を深めるということは, 理論的にも実践的にも確かめられつつあるが, 社会的な協調場面をどう活用するかについて, 一人一人の知的好奇心や既有知識に基づくところが大きく, 学習活動のデザインとして鍵になる要素や変数は堅固には語られていない。 本研究では, 小学1年生の話し合い事例についてプロトコル分析を行い, 協調場面の理解を深めるメカニズムやそれぞれを可能にする要件について実証的・実践的に考察している。 小学1年生という発達段階では, 学習者自身が話し合いの手続きや活動の意味を場面から切り離して理解することは難しいが, 話し合い体験そのものは身近な学習内容であり, 活字化された言葉よりも思考を深めるためのヒントがたくさんある。そこで, 個々の体験に基づいた経験則の協調的な抽象化に基礎を置く白水(2009)のモデルに着目し, 国語科の物語文の学習で教師が学習課題に転移課題を設定して, 一つの文脈の中で方略が使えるようになるまでの時間を十分に確保する学習モデルを提案している。転移課題を設定し課題解決のヴァリエーションを工夫することで, 学習者は話し合い経験を積み重ねる過程で, 教師や友達が示したモデルを取り入れながら読みを変容させていくことができた。 学習者が生成的にモデルを作る過程を支援するためには, 一つの文脈の中で学習者が生活体験や既有知識をつなげて具体的な課題解決をするための転移課題の質と, 経験を積み重ねて方略にしていくための学習者が話し合い場面で果たす役割が鍵になると考えられる。※白水始, 2009, 9章協調学習と授業, 高垣真由美編著, 授業デザイン最前線Ⅱ理論と実践を創造する知のプロセス, 北大路書房
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)