国語科読書指導における理解を核とした教育評価に関する実証的研究
Project/Area Number |
15H00121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育学Ⅰ(文科系)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高瀬 裕人 広島大学, 附属小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 理解方略 / 教育評価 / 国語科読書指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「自立した読者」の育成のための教育評価の在り方を明らかにすることを目的としたものである。 まず、理論的枠組みを設定するために、米国における理解方略指導関連書籍を検討した。この検討より、理解方略使用にかかる「責任」を、教師から子どもたちへと段階的に委譲する指導モデルが有効だと考えられていること、理解方略と理解の成果を区別して指導することで児童が理解方略使用の効果について実感を伴い理解できると考えられていること、理解方略指導における教育評価の場としてカンファランスが重要だと考えられていることを明らかにした。 次に、これらの知見をもとに検証授業(小学校1年生対象)を実施した。実践を重ねる中でカンファランス自体に児童たちが慣れておらず十分に機能しない場面が確認された。そこで代替案としてクラスでの振り返りの場を協働カンファランスの場として活用することとした。そこで、自分たちが使った理解方略が何か、理解方略を使うとはどのようなことをすることか、理解方略の使用が理解構築にどのような意味をもたらしたかを、協働で吟味・検討した。 最後に、実施した授業での発話記録、児童の記述をもとに、理解方略指導の効果を分析考察した。クラスでの振り返りの場で発言したか否かに関わらず、「○○する(理解方略を使う)ことで~ができた」という理解方略使用に関する記述が見られた。これらの記述から、児童が理解方略の効果を実感したことが窺われた。また、これらの指導を継続的に行ったことにより、次年度の目標を設定する際に、理解方略の使用に関して記述できるようになったこと、理解方略を使用しさらに課題に取り組む〈知性の習慣〉が育まれたことが窺われる記述が見られた。 これらのことから、クラスでの振り返りの場を理解方略使用の効果を協働で吟味・検討する場として位置付けることが、国語科読書指導での教育評価として一定の効果を持つという知見を導き出した。今後は、これらの知見を活かし、国語科読書指導のカリキュラム開発を進めていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
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