古代の技術によるモノづくりを通して思考力を育成する教材の開発
Project/Area Number |
15H00134
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育学Ⅰ(文科系)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
南澤 武蔵 東京大学, 教育学部附属中等教育学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2015: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 歴史教育 / 古代の製作技術 / ファイアンス |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究目的 本研究では日本学術会議が出した提言「再び高等学校歴史教育の在り方について」(平成26年6月13日)内の「歴史基礎」の科目カリキュラム試案において示された「モノの交換や移動から思考させる問」に関連した教材の開発を試みた。とくに、生徒が製作体験することを教材の核に置き、古代エジプトのファイアンスを製作することとした。ファイアンスの製作体験が、生徒の思考力を育成する発問や生徒自身の探究の教材として有用であるかを検討し、「古代の技術によるモノづくり」を通して高等学校の歴史教育に求められる思考力を育成する教材の開発を目的とした。 2. 研究方法 1研究は、参考となる授業例や古代の技術に関する文献・資料調査を実施し、白華技法によってファイアンス製作を行い、葬送に関連した人形の小像シャブティを製作の対象物とした。試作を繰り返して製作方法・手順を確定させ、生徒による製作体験を実施した。製作体験を通しながら、ファイアンスと高等学校世界史Bで扱う古代オリエントの内容とを結びつけた授業を展開し、生徒にはレポートや小論文を課題として課した。 3. 研究結果 製作技術や製作物には関連した歴史的事象があり、ファイアンスの製作体験は単に技術を学ぶ機会としてではなく、十分に歴史教育へと展開ができる教材となった。製作体験は歴史的事象を単に知識としてではなく、体験的・実感的に学ぶことを可能とし、生徒の興味・関心を高めることにもつながった。今回の研究で製作したファイアンスは、製作時に工夫が必要であり、高校生が複数人で協働的に製作に取り組むのに適した教材であることも明らかとなった。製作体験にかける時間数や歴史的思考力を育む課題の内容設定の重要性も改めて確認されたが、高等学校の歴史教育の教材として「古代の技術によるモノづくり」は有用な教材となった。
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Report
(1 results)
Research Products
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