知的障害児のコミュニケーション能力を促す美術科授業の開発とその質的分析による検証
Project/Area Number |
15H00137
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育学Ⅰ(文科系)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森 芸恵 筑波大学, 附属大塚特別支援学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2015: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 知的障害 / 美術・造形授業 / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、知的障害児におけるコミュニケーション能力が促進される美術・造形授業を開発し、実践によりその効果を明らかにすることである。 私はこれまでの研究で、造形活動における知的障害児の発話を分析し、11のカテゴリーで構成された造形活動におけるコミュニケーションの仮説モデルを提起した。その特徴として、「造形物による連想」カテゴリーが造形活動の基盤となり、コミュニケーションの深まりと広がりをもたらすことを示唆した。 そこで、仮説モデルの基盤となる「造形物による連想」カテゴリーを量的・質的に高めるために、5つのワークショップ型授業を開発し、検証した。近年盛んに取りくまれているワークショップを検討し、その要素である学習内容【遊び・ゲーム】や活動形態【ペア・グループ】を従来の造形授業に取り入れた授業を本研究におけるワークショップ型授業とした。そして、5つのワークショップ型授業を学習内容と学習形態により分類し、各授業における全児童及び事例児童の発語を対象とした分析から、質的レベルの高いコミュニケーションを促す授業を検討した。研究方法は、授業映像に収録された2方向からの児童の発語を抽出し、カテゴリーチェックシートを用いて1分間毎に質的レベルを記入した。研究の妥当性を高めるために、筆者と大学院生の計3名で分析を行った。その結果、5つのワークショップ型授業の中でもワークショップの要素が強い授業がコミュニケーションを促進する効果を示した。しかし、同じ要素を取り入れた別の授業では促進効果が見られず、その一要因として、環境やルールによる制限を示唆した。また、分析結果から、異なる授業や児童を対象とした場合でも量的変化を統合して彼らのコミュニケーションを図示することが可能であり、仮説モデルの汎用性を示した。 尚、本研究の実施にあたり、筑波大学芸術系研究倫理委員会の承認を得た。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)