Outline of Annual Research Achievements |
1 研究目的 公式や解法を用い「解く」ことで終わるのではなく, 仲間に「問う」ことで協働的に学びを深める学習形態の開発。 2 研究方法 【予習】課題を軸にした授業を目指す。予習課題から生まれた違和感や疑問点, 多様な考え方を軸とした授業を設計し, スキルを通した「解く」だけ学習から, 生徒自ら「問い」を持ち, その「問い」に対して主体的に向き合い, 自ら「問う」学習を行う。 3 研究成果 生徒は「予習課題」を配るとすぐに取り組む。そして, 休み時間に仲間と相談しながら, 自由な雰囲気の中で話し合い活動が行われ, 自分の考えを述べたり, 仲間の考えに耳を傾けたりすることができるようになった。その自由な雰囲気の中での交流が授業中に自信を持っての発言につながり, 活気のある授業につながった。また, そこで生まれた新しい「問い」を交流することによって, 「次の数学の時間に確認しよう! 」と意欲的に授業に向かえる生徒が多く見られた。そして, 予習課題に取り組むことによって, 考え方の交流から授業を展開できるようになり, 新たな「問い」を解決するための時間を授業の中で十分に確保することができた。その中で活発な話し合い活動が展開されることによって, 生徒の数学的な思考が高まった。また, 生徒が「違和感」を感じるような題材を用いて実践を行ってきた。具体的には, 日常生活の中や今までの学習過程の中での思い込みと先入観からの「ずれ」により「問い」が生まれることや, 既習事項から「おそらくこうなるであろう」と立てた予想との食い違い, 「違和感」から生まれる「問い」が多く見られた。つまり, 自分のもっている感覚や立てた予想と, 実際に計算するなかで結果が徐々に違ってくることから生徒の中に「問い」が生まれ, その「問い」が活かすことにより生徒が学びの主体となって数学的な思考を深めることができた。
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