Outline of Annual Research Achievements |
<研究の目的> 本研究は, 生徒自らが問題を見いだし, 学ぶ主体となりうる探究活動の単元開発を行い, その効果を明らかにすることを目的としている。取り上げる領域は, 身近な現象ではあるが生徒が理解しづらいと感じる波動領域とし, 中・高の連接を視野に入れ, 中・高両方での実践検証を行う。また実験・観察の結果などを整理・分析した上で, 解釈・考察し, 説明する力についての評価方法についても検証を行う。 <研究方法> 高等学校では波の一般的な性質の単元において, 中学校では音の単元において, 横波・縦波のモデルを取り上げ, 授業実践を行った。横波・縦波のモデルをハイスピードカメラで撮影し, グループごとにタブレット端末(iPad)を用いて視聴を行った。縦波のモデルについては広島大学大学院の協力を得て, 大学院生と共同で授業を行った。授業後に質問への解答と自由記述をさせた。質問への解答については, 観察の結果などを整理・分析した上で, 解釈・考察し, 説明できているかを3段階に評価した。 <研究結果> 高校での実践では, 初めて現象について知った生徒は, 講義による説明の段階では学習内容について十分な理解がみられなかったが, モデルの観察, 加えてタブレット端末を用いての動画視聴により, 理解に至ったことがわかった。授業前に既知であった生徒についても, 動画視聴により理解に深まりがみられた。中学校での実践では, 自由記述に2分野で学習した地震波についての記述もみられるなど, 既習の知識と関連付けて考えることができていた。また中・高ともに, 視聴の場面では, グループでの討議も活発にみられた。本研究で取り組んだ探究活動が, 生徒が主体的に学び, 現象への理解を深める活動であったことがわかった。なお本研究の成果については, 他校の教育研究会等に参加した際に意見交換を行った。次年度も継続して実践を行い, 研究成果について広く発信する。
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