| Outline of Annual Research Achievements |
中学校数学教育において, 高等学校への接続を意識した授業展開を行うことは重要なテーマである. 特に, 高等学校における微分積分の概念の習得に向けての中学校段階で解析的思考(無限と収束の概念)を涵養していくこと意義のあることだと考える. 本研究では, 二つの教材を用いて実践①②を行うことで, 中学生に放物線の接線の概念獲得をさせることができた. ①放物線にy軸に平行にレーザー光線を照射し, すべての光線が焦点に集まる実験を通して, 焦点の存在を確認する. 更に, アクティブ・ラーニングを取り入れた授業により, 理科における既習事項である光の反射の法則を関連付け, 放物線の法線並びに接線の作図を行う. これにより, 放物線の微小な曲面を拡大することで接線が得られることが理解できた. ②iPadを用いた話し合い活動により, 幾何学領域の定理(円に内接する四角形の定理と接弦定理)の関連付けを考察し, 円の接線の概念を収束する2点の極限として捉え, それを放物線の接線の概念の獲得に発展させた. それにより, 平均変化率や極限といった解析的な手法を用いることなく放物線の接線の概念の獲得することが可能であることが分かった. 本実践は, 接線の概念が, 微分積分の概念よりもはるかに以前から存在しているという数学史の観点からも意義のある実践であると考えている. また, 解析的思考の涵養を実現するための教材として, √2の連分数による表示をiPadを用いた反転学習による学習活動を行い, √2が無理数であることを班活動による話し合い活動で感覚的に理解することができた. さらに, 動画作成アプリケーションであるShowMeを用いて, 生徒自身による連分数の説明動画を作成し世界に向けて発信を行った. 今回の研究で, 中学校の学習者であっても接線, 収束の解析的思考の涵養が教材の工夫により十分可能であることが分かった. 今後は, 解析的思考の涵養に関してさらに教材開発ならびに実践を行っていきたい.
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