○研究の目的 小学校理科において「理科指導に自信がある」と回答している教員と「理科指導に自信がない」と回答している教員が「理科指導に対する意識」や「問題解決的な学習における指導の違い」を明らかにし、今後の理科指導のポイントを明確にする。 ○研究の方法 調査は4段階評定尺度法を用いた質問紙調査を実施する。坂東市内の教員で理科を指導している教員80名を対象とする。問題解決的な学習の過程を8つに分けて「自然事象への働きかけ」「問題の把握・設定」「予想・仮説の設定」「検証計画の立案」「観察・実験の実施」「結果の処理」「考察の展開」「結論の導出」で調査をする。 ○研究成果 1「理科指導に自信がある」と回答した教員は、「理科授業を自分でやりたい」という意識が強い。「理科指導に自信がない」という教員は、理科授業に対して他の教員(理科専科等)に頼る傾向がある。理科指導の自信の低下が理科授業への消極性につながっていることがわかった。理科指導の自信を高める必要がある。 2「理科指導に自信がある」と回答した教員は、「考察の展開」に重点を置いている。「理科指導に自信がない」と回答した教員は、「観察・実験の実施」に重点を置いている。理科指導の難しさを感じている過程は理科指導の自信度に関係なく「考察の展開」である。「理科指導に自信のない」教員については、「観察・実験の実施」、「考察の展開」について研修する必要がある。 3 具体的には、「児童の興味・関心を高める」研修であること、内容としては、「複数の事象を比較させて、共通点・差異点から問題を発見させる」「観察・実験中、児童が手順の確認ができるよう、手順を板書したり掲示したりする」「複数回の実験を通してデータの信憑性を確保する」「結果と自分の考えを区別して考察を書くようにする」「個人で考える時間、グループ、全体で話し合う場を設定する」等である。
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