Outline of Annual Research Achievements |
○研究の目的 高等学校「生物」では, 近年の生命科学の急速な進歩を反映した内容が取り入れられているとともに, 生徒の科学的な思考力・判断力・表現力を育成することが求められている。それに対して, この度の学習指導要領の大改訂は, 生物教員の負担になっていることが示唆されており, 特に「発生」「進化」の項目においては, 近年の分子生物学的な知見がしっかりと盛り込まれたため, 生物教員自身がその知見について詳しく理解しなければならず, さらに観察・実験を通して生徒に科学的な思考力等を育成することが求められ、負担は大きいと考えられる。 そのような課題を背景に, 本研究の目的を次の3点とした。 (1)「発生・進化」の項目において, 生物学の概念についてより深く包括的な理解が得られるとともに, 科学的な思考力等を育成することができる実験教材について検討する。 (2)生徒の科学的な思考力・判断力・表現力を育成する質の高い授業が実践できる理科教員としての資質・能力を高めるための教員研修会を行う。 (3)申請者が過去の研究で開発した実験教材(GFPを用いた大腸菌の形質転換実験, PCRを用いた青いカーネーションの遺伝子判定実験)について, さらに多くの高校で実践されるよう継続して取組む。 ○研究の方法 (1)「発生・進化」の項目において高い知見をもつ大学の先生を招聘し, 教員研修会を実施する。 (2)アクティブ・ラーニングの手法を用いて, 理科教員の授業力向上について研究している大学の先生を招聘し, 教員研修会を実施する。 ○研究成果 (1)広島大学大学院教育学研究科准教授富川光氏を招聘し, 高等学校生物教員を対象に「教員のための系統分類学入門」をテーマに研修会を実施し, 実験教材について検討した。 (2)上越教育大学大学院学校教育研究科教授西川純氏を招聘し, アクティブ・ラーニングの手法を用いた教員の指導力向上に関する研修会を実施した。 (3)昨年度に引き続き, さらに実践校が増加した。
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