Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究目的 筆者は, 現在まで10年以上にわたって「ものづくり体験講座」を実施している. この講座は「ものづくりの楽しさ」「科学技術のすばらしさ」を体験することを目的としている. しかし, 近年, 講座で使用するパーツ類が入手困難になってきており, いつまで講座が実施できるか不透明である. そこで, 新たな「ものづくり体験講座」を開講することができないかと考えた. 以上の理由から, 本研究では以下の2点について考察・検討を行うことが目的である. Ⅰ. GPS (Global Positioning System)時計製作教材の開発 Ⅱ. Ⅰの教材を用いた小中学生向け, 一般向け公開講座の開講 2. 研究方法 製作するGPS時計を構成する主要なパーツは, マイコンとGPSモジュール, LCD (Liquid Crystal Display)である. マイコンには, Arduinoを使用した. まず, GPS時計の回路をブレッドボード上で実現し, 動作確認を行った. その後, 基板上にパーツをハンダ付けしてGPS時計を製作した. ここで製作したGPS時計の材料費(受講料)は約8,000円であった. 一般向け公開講座としては実施できない金額ではない. 一方で小中学生向けの公開講座としては, やや高額であると考え, マイコンにArduinoの互換機を用いた教材を開発し, 前述と同様の方法で製作, 動作確認を行った. その結果, 受講料を半額程度に抑えることができ, 小中学生向けの講座としては現実的な金額となった. 製作時間は, 一般向けのものが約6時間, 小中学生向けのものが約4時間であった. 3. 研究成果 本研究の結果, Arduinoおよびその互換機を用いたGPS時計製作教材を開発することができた. また, 受講料と製作時間の観点から, その教材を用いて一般向けだけでなく小中学生向けにも公開講座を開講可能であることがわかった. 以上の結果を踏まえて, 今後は新たな「ものづくり体験講座」の開講に向けて準備をしたい. あわせて, 単に公開講座だけで終わるのではなく, 公開講座終了後も受講生がGPS時計を使い続けられるような工夫を加えていきたい.
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