小学校におけるタブレットを用いた戦争記憶継承のための「歴史の視覚化学習」の研究
Project/Area Number |
15H00212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育工学
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Research Institution | 大紀町立錦小学校 |
Principal Investigator |
河村 広之 大紀町立錦小学校, 教員
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2015: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 視覚化学習 / 戦争記憶の継承 / タブレット端末 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の目的】 本研究では、戦後70年が過ぎ人や町の戦争記憶が失われる中、戦争を知らない小学生が、校区での太平洋戦争中の様子を中心とした調べ学習を行い、タブレット端末を活用した「歴史の視覚化学習」に取り組むことが、戦争記憶の継承や平和・防災に対する意識の変容につながるかを検証する。 【研究の方法】 本研究は、次の様に行う。①アンケート形式による児童の太平洋戦争に関する意識調査。②「戦時中津波被災マップ」の作成(歴史の視覚化①)。③太平洋戦争についての学習。④戦争当時の様子を知るお年寄りへの聞き取り活動(歴史の視覚化②)。⑤聞き取り活動のまとめ(歴史の視覚化③)と補充的学習。⑥まとめの交流とアンケート形式による意識調査。⑦結果の考察。 【研究の成果】 本研究の成果は次の通り。(1)視覚化①では、資料の読み取りにタブレット端末を用いたところ、8割の児童が分かりやすいと感じた。タブレットの操作については、9割の児童が使いやすいと感じた。(2)視覚化②では、80代のお年寄り6人から聞き取りを行った。その様子は、タブレット端末のビデオ機能で撮影し、後日各グループの聞き取りが見合える様にした。その結果、直接話を聞く、聞き取り映像だけを見る、合わせて9割の児童がお年寄りに当時の話を聞くことが、学習になると感じた。(3)視覚化③では、各自が学んだことを他者へ伝えるために、3つのキーワードで説明する発表動画を作成した。テーマを「空襲」や「食べ物」と絞り込み、3分程度の短い動画にすることで、発表意欲を高め、各自が複数のテーマについて発表できるようにした。全員が、作品を完成させることができ、10割の児童がタブレット端末を用いた録画や発表が便利で楽しいと感じていた。 また、課題としては、歴史記憶の継承についての効果を確認するための継続的取り組みの必要性、視覚化した内容の共有方法の確立、があげられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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