Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 学習者の前腕に医療に用いられる放射線を照射した場合の人体内での散乱の様子を可視化できるツールを開発した。本教材は, ARマーカとそのARマーカを手首に装着するためのバンド, USBカメラ, 3次元CGを作成して描画するためのWindows PCから構成される。USBカメラはLogicool社製の1.3-MP Webcam C300hというUSBカメラを使用した。また, ARマーカの位置と法線ベクトルを取得するためにProcessing用のARライブラリであるNyAR4psgを使用した。NyARToolKitとはARToolKitを参考に実装し直したARToolKit互換のクラスライブラリである。ARToolKit/2.72.1の機能を元に、全てのAPIをクラスベースで再実装している。また、ARToolKitのオリジナルの機能のほかに、自動閾値検出、IDマーカシステム等の拡張機能を実装している。処理速度については、オリジナルと同等かそれ以上(JIT有効時)であり、複数のマーカを使用したときにも処理速度の低下が少なくなっている。 PCには, あらかじめ輸送計算コードPHITSによって出力した飛跡の座標データやエネルギー付与データが格納されており, ARライブラリを用いてUSBカメラにより取得された実映像上に3次元CGの飛跡を描画することができる。自分たちが受ける可能性のあるX線診断、PET診断、重粒子線治療の学習モードを用意した。本ツールでは、リアルタイムに飛跡を描画しており、前腕内部での放射線の飛跡を任意の角度からPC画面上の合成画像で観察することができる。X線診断や重粒子線治療, PET診断に対する学習モードを実装することで, 直観的に理解することができるようになったと考えられる。動作試験では, 640×480ピクセルの画素数で, 5fps以上で動作することを確認した。学習効果を確認するために西日本で最も集客力のある科学体験イベントでアンケートによるデータ収集を行った。十分な学習効果を確認できた。
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