Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 18世紀, 19世紀の和算を軸とした数学史全般について原典の解読, 研究を進めた. 特に, 関孝和の数論と円理について中国伝来の解法および西欧での研究との比較検証を進めた. また, 数学史の研究, 原典の解読の成果をもとに, 高校2年生対象の学習指導要領「数学活用」をはじめ高校1年「数学Ⅰ」「数学A」の[課題学習]および他すべての科目において, 数学史の視点を活かした授業の研究, さらに生活の中に活きている数学について発見, 気付かせる授業の研究, 実践を進めた. 特に「数学活用」, [課題学習]では, 生徒による主体的な数学的活動の充実, アクティブラーニングの取り組みの研究, 実践を続けた. 今年度は解読, 調査, 研究そして授業実践に力を注ぎ, 研究発表は行えなかったが, 過年度までの実績をもとに, 次年度, 平成28年度には報告, 発表の予定を得ているの. 数学史の専門的な研究と中等教育における授業研究は直接的な関連が薄いとも考えられるが, 数学嫌いを多く生んでいる現状を鑑み, 数学の本質的な意義, 良さを伝えるため, 数学が拠って生まれ来るその歴史を踏まえた授業の実践, 先人達が築き上げた数学的な実りとそれに至る数学的営みをよく理解した上で教壇に立つことが肝要と考え, 数学史の研究とその視点を活かした授業の研究, 実践を試みている. 研究方法 京都大学数理科学研究所の研究集会「数学史の研究」および全国和算研究大会長野大会に参加, 原典, 特に関孝和, 建部賢明, 賢弘兄弟による『大成算経』と中国南宋の数学者秦九韶の『数書九章』の精読に努めた. そのほか「数学教育の会」(お茶の水女子大学), 共立出版に於ける数学文献を読む会など多数の学会, 研究会に参加し, 研鑽を積んだ. 研究成果 今年度は授業の実践と原典の精読に努めた. 次年度, 各研究会にて報告, 発表を進めたい。
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