自作分光器による太陽の多波長分光観測から求められる物理的解析とその結果の検証
Project/Area Number |
15H00283
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理学
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Research Institution | 埼玉県立浦和西高等学校 |
Principal Investigator |
坂江 隆志 埼玉県立浦和西高等学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2015: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 太陽 / 磁場 / ゼーマン効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
太陽で起きる諸現象は磁場を理解することにより解明されてきた。従って、太陽観測においてその磁場を捉えることは非常に重要である。しかし、可視光領域で磁場を捉えるにはゼーマン効果を利用することになるが、その信号は非常に微弱であり、小型の装置による観測例は無いようである。2011年より取り組んできた当自作分光器は重量約7キロと軽量にできており、市販の小型赤道儀に搭載して観測が可能な小型のものであるが、2次のスペクトルを用いると波長分解能はR=60000となり観測波長域では0.01nm程度まで分解できることから、大きな黒点周辺の強い磁場であれば検出できそうなことがわかった。そこで、主鏡の筒先に円偏光フィルターを装着し、視線方向磁場のみに対象を絞って磁場観測を試みた。円偏光フィルターは、市販の写真用円偏光フィルター(直線偏光板とλ/4波長板を貼り合わせたもの)を裏返しにして用いた。高次スペクトルを用いる場合、次数カットフィルターを工夫する必要があるが、フィルター類の購入に当補助金を活用し観測が可能となった。ゼーマン効果の比較的大きいFeI 630.25nm吸収線付近を、赤道儀で追尾しながら微動ボタンを押し続けることで13分ほどかけて太陽全面をスリットスキャンし、約2600フレームのスペクトル画像を取得、その画像上で地球大気のO_2吸収線を基準にガウス近似によりサブピクセルまで吸収線位置を測定することでその偏移を求めた。その結果、超粒状斑の対流によるドップラー信号に加え、大きな黒点周辺では正負の磁場信号も捉える事に成功し、さらに約0.1T程度の磁場強度を持つことも求めることができた。 以上から、当分光器のような安価で小型なものでも、円偏光フィルターを加えるだけで太陽の磁場観測への応用が可能であり、各教育機関で普及すれば磁場までもとらえることができる分光観測がより身近に行えるようになるものと期待できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)