Project/Area Number |
15H00291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
化学
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Research Institution | 仁川学院高校 |
Principal Investigator |
米沢 剛至 仁川学院高校, 教諭
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | フォトICダイオード / 比色計 / ミョウバン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高校化学の授業およびクラブ活動(科学部)において、ミョウバン結晶中のイオン分析を行うことを目的とする。従来の高校化学の授業でのイオン分析は、教員が試薬から用意した溶液を用いて行っているため、教科書通の記述を確かめる意義はあるにしろ、教科書の通りになって当然で、生徒にとっても実験をする意気込みがいまひとつであった。イオン分析実験に関する化学教育実践の報告例も少ない。 そこで、筆者は生徒にとってなじみがあるミョウバン結晶をサンプルとし、ミョウバン結晶に含まれるイオンを分析する実験、研究を提案する。クラブ研究では、①カリミョウバンとクロムミョウバンの混晶、②カリミョウバンと鉄ミョウバンの混晶、③カリミョウバンとアンモニウムミョウバンの混晶を作成し、実験用のサンプルとした。それぞれのサンプルはコブのついていない単結晶を実験用に供した。サンプル結晶を乳鉢で砕き、水溶液とし、①についてはそのまま比色計にかけ、クロムイオン濃度を測定し、②については1, 10-フェナントロリン法で鉄イオンを測定し、③についてはインドフェノールブルー法でアンモニア性窒素濃度を測定した。それぞれの分析値からクロムミョウバン、鉄ミョウバン、アンモニウムミョウバンの混晶中の割合を求めた。クラブ研究では、任意の割合で混晶がつくられていることを示すことができた。研究成果は坊ちゃん科学賞(東京理科大学)に応募し、入賞を果たしている。 化学の授業では①について実施した。比色法の原理と関数電卓を使っての計算演習に1時間、実習に1時間を充てた。比色計はフォトICダイオードとLEDを用いた、安価で簡便な回路のものを班の数だけ作成し、実験に供した。吸光度は回路内の抵抗に生じる電圧をデンシテスターで測定することにより求めた。標準溶液の測定であられた値を関数電卓で対数値の計算を行い、グラフ用紙に手書きで値を記入し、おおよその検量線のグラフを引いた。これをサンプルの測定値と比較してクロムイオン濃度を求めた。パソコン処理でなく、手書きにしたのは、グラフ作成の訓練のためである。生徒データをパソコンの表作成ソフトで作成した検量線からもとめた値と比較すると、ずれは数パーセントだった。1クラス1時間の実習では手書きのグラフでそれほどそん色のない結果といえる。生徒の感想でも、十分に興味を持って取り組んでいる様子がうかがわれた。実践内容は化学と教育誌に投稿し掲載が決定し、、日本化学会春期会でも報告した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)