網羅的翻訳後修飾解析をめざした新しい質量分析適用法の確立
Project/Area Number |
15H00293
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
化学
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
阿久津 弘明 旭川医科大学, 教育研究推進センター, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2015: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | HILICカラム / シーケンスカバレージ / LC/MS/MS |
Outline of Annual Research Achievements |
『目的』タンパク質の翻訳後修飾解析を目標とする網羅的な「全アミノ酸配列」決定方法の確立をめざすために、逆相(RP)カラムに変わる親水性相互作用(HILIC)カラムを2次元目に用いRP-RPの組み合わせでは観測できないアミノ酸配列を補完する系を立ち上げ、シーケンスカバレージの向上を目指す。 『方法』2D(RP-RP)-LC/MS/MSの条件最適化では移動相溶媒の組成変化比率および溶出時間の調整を行った。2D(RP-HILIC)-LC/MS/MSシステムの条件最適化では移動相組成を検討し質量分析測定条件を作成した。カバレージの評価試料に、ウシ血清アルブミンを還元アルキル化後、Trypsinで消化したペプチド混合液を用いた。まず、ペプチド混合液を分画せずにRP測定を行った。次いで、同試料を、1次元目の塩基性移動相を用いた逆相HPLCで分画し、各分画を2D(RP-RP)測定した。更に、HILICカラムを2次元目に用いた2D(RP-HILIC)でも各分画の測定を行った。測定後、各測定データのタンパク質のカバレージを求めた。 『成果』評価試料を分画せず測定した場合のカバレージは59%であった。2D(RP-RP)条件最適化後の測定(8分画、測定後データをマージ)では76%であり、最適化前の20分画で71%に比べ向上が見られた。今回検討を行った2D(RP-HILIC)のカバレージは38% (8分画、測定後データをマージ)と低かった。HILICカラムに使用する充填剤の種類が多く最適なカラムを選択できなかったことなどが考えられる。但し、双方のデータをマージすることでカバレージは81%に向上した。即ち、2種類のカラムを併用し補完させることでカバレージが向上することが確認できた。今回の結果を踏まえ、更なる2D(RP-RP)の最適化、2D(RP-HILIC)の溶出条件の最適化と併せてHILICカラムの選択などの検討を行い、カバレージの上昇を目指し研究を進める予定である。また、今回は2D(RP-HILIC)の条件検討に時間がかかり、生体実試料への適応ができなかった。今後は、条件最適化と共に、2D(RP-RP)を用いた生体実試料への適応も実施する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)