Outline of Annual Research Achievements |
1 研究目的 危険ドラッグとは、覚醒剤や大麻などの違法薬物と同じような作用を示す成分を含むドラッグである。危険ドラッグは、非常に種類が多く、使用したドラッグに危険ドラッグの成分が含まれているかを確認するのに長時間を要する。そこで、本研究では、呈色反応を用いて迅速に危険ドラッグの成分を検出する方法を開発することとした。 2 研究方法 危険ドラッグの合成を行い、合成した危険ドラッグについて呈色反応を検討した。呈色反応については、シモン試薬、マルキス試薬、2, 4-ジニトロフェニルヒドラジン、フリョーデ試薬、リーベルマン試薬、チェン試薬を検討した。 3 研究成果 メトカチノン類を含む危険ドラッグ15種類の合成を行った。 呈色反応は、ケトンを検出できる2, 4-ジニトロフェニルヒドラジンを検討したが、メトカチノン類のいずれにおいても呈色を示さなかった。メトカチノン類は、ケトンの隣にフェニル基があり、立体障害により、呈色を示さなかったと考えられる。また、メトカチノン類は、他の呈色反応についても特異な反応を示すものを見出すことはできなかった。一方で、ジフェニジン類に関しては、マルキス試薬、フリョーデ試薬、、リーベルマン試薬で、呈色を示すことが確認できた。また、一部の合成カンナビノイド類についても、フリョーデ試薬、リーベルマン試薬で呈色を示すことが確認できた。 本研究では、危険ドラッグ成分の種類によって、異なる呈色反応を示すことが確認できた。今後、更に多くの危険ドラッグ成分を検討していくことで、危険ドラッグの成分により特徴的な呈色反応を見出すことができると考えられる。
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