Project/Area Number |
15H00296
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
化学
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
入部 康敬 富山大学, 工学部総務課, 技術職員
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2015: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 表面プラズモン共鳴(SPR)センサ / 免疫センサ / 光電変換素子 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、様々な免疫センサが開発されている中、非標識でリアルタイム測定が可能な免疫センサとして表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance、SPR)現象を利用したSPRセンサが広く利用されている。このSPRセンサは光学デバイスであるが、本研究では酸化薄膜(Al_2O_3)を金属薄膜(Au、Ag)で挟み込んだ多重層薄膜基板を用いることで、入射光側の金属薄膜表面で生じたSPR現象に伴う電子粗密波を、酸化薄膜を介し最表面の金属薄膜を経て流れる電流への変換によりデバイスの小型化を図り、最表面の金属薄膜上に抗体を固定化した電流測定型免疫センサの開発を試みた。 主な実験方法としては、SPRシミュレーションソフトWinspallを用いて酸化薄膜、金属薄膜の最適な膜厚を検証し、実際に多重層薄膜基板を作製すると共に、Al_2O_3薄膜の成膜方法についても検証した。また、本研究に関する研究動向調査として学会発表を行い、研究手法について検討した。 まず、以前より開発してきた多重層薄膜基板において、膜厚275nmと膜厚が厚いAl_2O_3薄膜を持つ多重層薄膜基板では、従来の光学式SPR測定は可能で、金属薄膜間を絶縁できたが、SPRに伴う電流測定ができなかった。そこで文献を参考に、膜厚4nmと膜厚の薄いAl_2O_3薄膜を持つ多重層薄膜基板で検証した結果、Al_2O_3薄膜に生じた細孔等の欠陥により金属薄膜間を絶縁できず、SPRに伴う電流測定が行えなかった。そこでAl_2O_3薄膜の成膜方法の改善を図るため、抵抗加熱蒸着法で成膜したAl薄膜をAl_2O_3薄膜へと酸化し、その酸化方法として加熱処理による熱酸化法や、濃塩酸による不動態化を利用した化学的酸化法を用いた。しかし、いずれの場合も光学式SPR測定は可能だったが、SPRに伴う電流測定が行えなかった。参考文献では、物理蒸着では被覆困難な細孔壁面部でも成膜可能な原子層堆積法(Atomic Layer Deposition、ALD)を用い、多重層薄膜中で絶縁膜として機能するAl_2O_3薄膜を成膜していた。今後は同等のAl_2O_3薄膜成膜方法を検証し、引き続き電流測定型免疫センサの開発を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)