ポーラス構造を利用した元素分析用セレン、リン高効率除去剤の開発
Project/Area Number |
15H00298
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
化学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加門 邦彦 大阪大学, 工学研究科, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 元素分析 / 充填剤 / ゾルーゲル法 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の概要】 申請者らは前年度採択の奨励研究(課題番号26915008)により、有機化合物中の炭素(C)、水素(H)、窒素(N)含有量測定時、その分析を妨害する元素と親和性のある化合物をシリカ中に分散担持する事で、フッ化水素ガスを高温炉中、高効率で除去する除去剤の開発に成功した。今回、同様の手法を用いれば様々な妨害元素を必要に応じて除去できる除去剤を簡便、安価に作製できると考え、妨害元素の代表であるリンの除去剤の作製を試みた。 【実験方法】 ①原料の混合 : テトラエトキシシラン溶液(TEOS)に、アルミニウム-トリ-sec-ブトキシド(ASB)、有機物(N, N-ジメチルホルムアミド(DMF)他)などを相分離することなく混合させ、アルミニウムイオン等を均一に分散させた湿潤ゲルを作製した。 ②乾燥と熱処理 : 湿潤ゲルを恒温槽で乾燥の後、電気炉で熱処理し有機物の除去による多孔質化ならびにシリカゲル中にアルミニウムイオン等を均一担持したシリカゲルを作製した。得られたゲルについて添加する有機物の選択、細孔径の制御により除去剤としての最適化を試みた。最後に実際にCHN分析装置に充填し、リンを含有する有機化合物中の炭素、水素、窒素定量分析を行い、その除去能力を検証した。 【実験結果】 原料の混合順序を工夫する事で、TEOSにASB、有機物(DMF他)などを相分離することなく均一に混合する事ができ、透明なバルクゲルを得る事ができた。その後乾燥ゲルをある程度粉砕し、昇温速度と温度に注意しながら熱処理を行う事でリン除去剤を作製した。得られたリン除去剤をCHN分析装置に充填し、トリフェニルホスフィン(P=11.81%含有)を用いて繰り返し分析を行った所、そのリン除去能力の発揮により、良好なCHN分析結果を得る事ができた。このような分析妨害元素を除去する除去剤を開発する事で、装置の分析精度を長期間維持する事ができ、CHN分析装置を利用している多くの研究機関の研究に大きく寄与する事が見込まれる。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)