片麻痺肩・肘関節の各運動自由度選択拘束機構を有する促通刺激協調リハビリ装置の開発
Project/Area Number |
15H00331
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅰ(機械系)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
谷口 康太郎 国立大学法人 鹿児島大学, 大学院理工学研究科, 技術職員
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2015: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 脳卒中片麻痺上肢運動機能回復訓練 / 易収縮的電気刺激 / 振動刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中片麻痺患者に重要な上肢運動機能回復訓練において、肘と肩関節を使用した上肢の挙上とリーチング能力の向上は、食事や洗顔、更衣等の日常生活動作を改善するリハビリとして非常に重要である。脳卒中片麻痺患者のリハビリでは患者自らの随意運動を促す訓練が効果的であり、さらに、関連する関節が一緒に動いてしまう共同運動から個々の関節の随意運動に分離することが必要である。片麻痺患者は十分に麻痺肢の筋肉を収縮できないが、易収縮的電気刺激や振動刺激を目的筋に与えることで筋収縮を促すことができる。これらの促通刺激を目的の訓練運動の筋に最適なタイミングで自動的に介入できれば、最適な条件で高頻度の反復訓練と患者の自主訓練も可能となる。 本研究では、先行研究で開発した片麻痺の肩と肘の共同運動を分離する上肢各運動自由度選択拘束機構を用いて、リアルタイムに計測される関節角度や角速度データに基づいて、電気・振動刺激による促通刺激を訓練動作に自動的に協調させ、刺激タイミングを制御するための運動計測機能と促通刺激制御機能を有するリハビリシステムを開発し、その有用性を臨床実験で評価した。 まず、健常者10人に対して装置の臨床実験を行い、促通刺激を介入しない訓練前後の結果を比較すると、殆どの被験者に肘と肩の屈伸訓練後に運動速度の向上が確認された。また、片麻痺患者における臨床実験においては、ブルンストロームステージⅢ以上の被験者に対して本装置による訓練を実施し、肘の訓練においては6名中5名に、肩については10名中8名に訓練後の運動速度の向上が確認された。 本装置による訓練では訓練結果が即時にPC画面上に表示されるため、最大可動域や最大運動角速度等の物理量による定量的な評価が即時に可能となり、刺激強度の最適値を調べることも可能である。本装置は単一の装置で複数の訓練運動を実現でき、アクチュエータも持たないため低コストであり、実現性が高い。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)