熱と光を同時に利用したナノインプリントのための透明ヒータの開発
Project/Area Number |
15H00362
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅱ-A(電気・電子系)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
庄司 大 東京工業大学, 技術部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2015 – 2016
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2015: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ナノインプリント / ヒータ / ITO |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】ナノインプリントとはモールド表面に刻まれた微細な凹凸パターンを樹脂に転写する技術であり、転写の際に加熱と光照射を行って転写精度を向上させる。本実験を行うためには光を透過できるヒータ(以後、透明ヒータ)が必要であったためその製作を研究目的とする。 【研究方法】透明ヒータはガラス基板に導電性材料を成膜し、電圧を印加してジュール熱により加熱する。本ヒータが透明であるためには導電性材料も透明でなければならないためその材料にITO(酸化インジウムスズ)を用いる。ヒータの電源定格及び紫外線硬化実験に利用することを考慮して透明ヒータの仕様はヒータ抵抗5~50Ω、透過率(波長365nm)0.2以上と定める。この仕様を満たすためのITOの成膜条件の最適化を行う。また、透明ヒータの温度制御方法の確立、昇温試験、透過率測定を行う。製作した透明ヒータを用いて熱と光を同時に利用したナノインプリントの試験を行う。 【研究成果】ITOの成膜はスパッタ法で行った。当初製作した透明ヒータのヒータ抵抗は239Ω、透過率は0.04と求める仕様を満たすものではなかった。そこでスパッタで成膜した後のITOに400℃、90分で熱処理を行ったところヒータ抵抗34Ω、透過率0.34と改善し、両者とも仕様を満たすものとなった。温度制御はヒータ近傍に銅箔線を製作し、金属抵抗の温度変化を利用して行った。昇温試験を行い、定格温度200℃まで問題なく加熱できることを確認した。ここで加熱により透過率が低下する問題が確認され、透過率の仕様を満たさなくなる可能性があった。そこで定格温度の200℃における透過率を測定したところ0.26であり仕様を満たすことを確認した。なお、温度と透過率の関係は比例関係であり、その変化は可逆性であることが分かった。製作した透明ヒータを用いて熱と光を同時に利用したナノインプリントを行い、正常にパターンを転写できることを確認した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)