Outline of Annual Research Achievements |
1)目的 限られた予算内で多数の既存橋梁を維持管理していく中で, 適時適切な補修を行うためには補修優先度の評価が重要となる. 現在のところ確立した評価手法はなく, 各管理者が独自に評価していることが多い. 本研究では維持管理における優先度評価手法について, 現在の評価手法について整理するとともに, 算術積型モデルによる評価手法の検討を行うことを目的とする. 2)成果 都道府県が策定している橋梁長寿命化計画を中心に現状の優先度評価手法については, 大きく以下の2つの評価手法に分類されていた. (1)各評価に重みをつけて総合得点化する方法 (2)多様な評価尺度に基づいた評価結果をマトリクス表等に整理する方法 単一の指標に数値化をする必要がない2)による評価手法が多くを占めていた. (1)による評価手法としては重みづけ算術和による評価が多くを占めるが, 山梨県など独自の評価方法を採用しているところもあった. (1)の総合得点化手法の一つとして, 算術積による評価手法について検討を行った. 算術和の場合に項目の重み係数が小さい場合, 最低値となっている場合であっても総合評価へ与える影響が限定され適切に評価できなかった点は, 算術積により総合評価反映できることが分かった. しかし, 重みづけ算術和による評価方法の方が適切に評価できる場合もあり, 複数の評価手法を組合わせた総合評価を行う必要があるといえる.
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