微生物燃料電池は土壌中などに生息している微生物が有機物を食べる際に発生する電子を電極を利用し、回収し発電する発電機である。常温で水中のゴミ(有機物)を分解して発電するため、浄水場で水の浄化をしながら発電可能な夢の発電システムである。そのため、学術論文の報告数は2003年度頃から急激に増加し続けており、多くの大学や研究施設において研究されるようになり将来の安心安全な発電技術及び水の浄化技術である。また。日本の将来の工業技術を支える工業高校生が学習するのに重要視すべき技術の一つであると考えられる。 上記の意義を踏まえ、この研究ではMFCを生徒自身が課題研究及び放課後の課外活動等で取り組んだ。そしてこの新規発電システム開発が、宮城の創造的復興に必要な基礎的基本的技術とそれらを活用した創造性や課題解決力の育成に有効なことを明らかにすることを目的として実施した。 具体的には、以下の様に実施し、成果を得た。 1. フィールド調査で宮城及び隣県である山形県の様々な地点からスクリーニングを行い、様々な種類の電流生産菌をインキュベーターで培養して各種試験で確認し更に発生電力が大きい電流生産菌を探求できた。 2. 発生する電力を向上させるために様々な電極及び添加物(各種金属酸化物、有機物等)を使用して実際に汚れた水を浄化させながら発電させる事ができた。浄化された指標として目視及びCODを用いた。 3. 上記電流生産菌及び電極、添加物のうちの有望なものを使用したガラス容器製の小型装置を製作し、発生電力を測定した。良好な出力は得られなかったが、技術向上に役立った。 4. 得られた電力を使用した各種駆動試験を計画し、コストを含め、その具体的利用方法を検討できた。 これら新規発電システムを開発することを通して、生徒の技術や意欲向上、創造性や課題解決力の育成に有効であったと考えられる。
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