光学異性体の分離を目的としたジアステレオマー塩法を用いる有機学生実験テーマの開発
Project/Area Number |
15H00423
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅴ(その他工学)
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
藤原 渉 山形大学, 工学部, 技術員
|
Project Period (FY) |
2015
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
|
Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | ジアステレオマー塩法 / 学生実験テーマ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、工学部3年生を対象とした有機学生実験テーマ「ジアステレオマー塩法を用いた光学分割実験」の開発を目的としている。近年では光学異性体を工業的に生産する場合、「天然物から光学異性体を抽出」あるいは「ジアステレオマー塩法を用いた光学分割」の2つが利用される。しかしながら、有機学生実験書で取り扱う分割法は酵素を用いたものが主であり、学生実験の内容と実際の工業的手法の間に大きな隔たりがある。そこで人的毒性の低いdl-メントールを用い、ジアステレオマー塩法による光学分割を学生に理解させる。 1-メントールはペパーミントのような清涼感があるのに対してd-メントールは無臭であることを利用し、高度な分析機器を使用せずとも『におい』で誰でも分割を判断できる実験テーマを創設するため研究を行った。 目的物を単離するまでの過程として、①dl-メントールから酸無水物を反応させてdl-メンチルエステルカルボン酸を合成②光学活性アミンを加えてジアステレオマー塩を形成③結晶物を酸で分解し、d or 1-エステルカルボン酸を単離④エステル加水分解にてd or 1-メントールを単離する といった手順である。 まず、酸無水物として無水フタル酸、無水マレイン酸を用い、dl-メントールと反応させてdl-メンチルエステルカルボン酸の合成を行った。条件検討を行った結果、いずれの化合物も90%以上の高収率且つ2時間程度で合成物を得ることに成功した。実際は学生実験にて行うことから反応時間は許容範囲であると言える。現在、ジアステレオマー塩法で分割した際の判断基準となるラセミ体のエステルカルボン酸のキラルカラム条件、展開溶媒を検討中である。これらが達成できれば、ジアステレオマー塩法に用いる光学活性アミンの選別・鏡像体過剰率(ee%)の判定に利用でき、本実験テーマの実現に近づく。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)