Outline of Annual Research Achievements |
近年, エネルギー輸送の手段として, 欧米を中心に大型パイプラインネットワークの構築が進んでおり, 我が国においても, 海底パイプラインによる天然ガス輸送の計画が持ち上がっている. また, 燃料電池をはじめとする水素をエネルギー源として活用する機運も高まりつつあるため, パイプラインに関する構造強度健全性の担保に関する研究・教育の必要性はますます増加するものと推察される. そこで本研究は, 供給インフラとしてのパイプラインネットワークの構築・活用の必要性を考慮した鋼管の繰り返し内圧変動現象, いわゆる脈動現象を工学的教育の観点から分かりやすく視認するための教材を試作することを目的とした. 研究方法は, 研究者の所属先で開発した汎用電気油圧サーボ機構を用いて, 管円周方向に意図する応力変動を付与できる鋼管疲労試験装置より得られた成果を基に, 以下のように行った. 1)ひずみゲージを用いて鋼管の内圧変動時の円周方向のひずみ計測を行った. 2)鋼管に内圧変動を繰り返し付与し, その際生じた脈動現象を撮影した. 今回の研究により, 設計で想定した内圧が付与できない機構であることが判明したが, 鋼管の疲労破壊の要因である内圧変動を起因とする脈動現象を可視化することには成功した. 今後は, 鋼管の内圧変動を設計段階で考慮する重要性を説くための資料を取りまとめ, 学会誌等に論文を投稿する予定である.
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