新たな理科教材の開発を企図した熱帯性タコ類の飼育と学習に関する実験研究
Project/Area Number |
15H00455
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農学・水産学
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Research Institution | 沖縄県立北部農林高等学校 |
Principal Investigator |
與那嶺 創 沖縄県立北部農林高等学校, 教員
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 頭足類 / 理科教材 / 学習実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
沖縄県立北部農林高等学校では家畜や農作物の飼育栽培を通じて、農業従事者や経営者を育成するための教育活動に取り組んでいる。また、本校生徒は絶滅に瀕した琉球在来豚のアグーや沖縄本島北部に分布するナゴランの保存に取り組むなど、生物を取り扱う実践的技術が優れている。しかしながら、授業時数の大半を実践的実習に充てるために理科の基礎的事柄の習得が不完全であるという農林高校特有の問題がある。その点に関して申請者は、農業教科を補完し、理科の教育効果を高めるためにユニークな理科教材を開発し、教育現場に導入する必要があると着想した。 そこで本研究では沖縄本島沿岸に分布するウデナガカクレダコを用いて、新しい理科教材の開発を行うことを目指し、以下の2項目の実施を行った。また、これらの研究実験項目は生物部員とともに共同作業とした。 1) タコ類の最適環境の探索 : 理科教材として適用するために、理科準備室内に飼育水槽システムを設置し、水質、水温、光条件、餌などの検討を行った。 2) タコ類の学習能力の検証 : これまでに温帯性のマダコを対象として確認されている、物体形状を見分ける弁別学習などを熱帯性タコ類を用いて検証した。 本研究により、熱帯性タコ類であるウデナガカクレダコを土日祝祭日に給餌を行うことが困難な学校現場で安定して飼育可能であることが明らかになった。また、実験期間中に2個体が抱卵を行い、稚個体の孵化を確認した。さらに、弁別学習実験を行い、ボール型模型と十字型模型を視覚及び触覚を用いて区別する能力を有することが示され、その学習能の一端を明らかにすることができた。これらの研究により得られた成果は2015年11月に北海道函館市で行われた国際頭足類学会にて生物部員がポスター発表を行い、ウデナガカクレダコの学習能や理科教材のモデル動物としての有効性を示すことができた。
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Report
(1 results)
Research Products
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