木質バイオマスの組織構造を利用した金属担持炭素調製における金属粒子形成過程の解明
Project/Area Number |
15H00460
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農学・水産学
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大竹 哲也 山形大学, 工学部, 技術専門職員
|
Project Period (FY) |
2015
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
|
Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | 炭素材料 / 木質バイオマス / 金属微粒子形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的 : 木質バイオマスを炭素前駆体とし, 付加価値の高い金属担持炭素材料を開発する過程で, 炭化物上に形成される粒子の粒子径および粒子形状は, 担持する金属化合物の陰イオンの影響が大きいことがわかってきた。これは金属化合物の熱分解過程と, バイオマスの熱分解生成物が相互に影響するためである。ここでは亜鉛および銅の化合物を用い, 木質バイオマス仮道管内の微小空間における微小金属粒子の形成過程を検討し, 金属担持炭素材料設計への指針を得ることを目的とした。 実験方法 : 木質バイオマスとしてヒノキチップを用いた。担持する金属化合物には塩化銅, 硝酸銅, 塩化亜鉛および硝酸亜鉛を使用し, ヒノキチップ1gに対して0.05~1.0mol/Lに調製した水溶液20mLを添加した。24時間含浸処理を行った後, 濾過, 乾燥をしたものを試料とした。炭化処理は熱天秤を用い, 炭化温度300~600℃, 昇温速度2~50℃/min, 窒素を20ml/min通気して行った。調製した炭化物はFE-SEMにより表面観察を行い, XRDで金属生成物の確認を行った。 実験結果 : 調製した金属担持炭化物の金属粒子をXRDにより確認した結果, 銅化合物からは金属銅, 亜鉛化合物からは酸化亜鉛の微粒子が生成した。銅粒子は細胞壁中へ, 酸化亜鉛粒子は細胞壁表面への固定が多く見られ, 金属種の違いによりバイオマス中での固定メカニズムが異なることが示唆された。また硝酸塩からは粒子径数十nmの微小粒子が, 塩化物からは数百nm程度の粒子径が揃った金属粒子が生成した。硝酸塩は200℃程度の低温で融点が高い酸化物の微小粒子を生じ, これが炭化物へそのまま保持される。塩化物は単独では熱分解を起こさないが, バイオマスの熱分解ガスにより還元されて金属が生成する。この金属が仮道管細胞空隙内で結晶として成長し, 比較的大きな粒子を形成するものと考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)