Project/Area Number |
15H00465
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農学・水産学
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
西田 健志 富山大学, 医学薬学研究部 病理診断学, 技術職員
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2015: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 発酵食品 / アユ熟れ鮨 / メタボリックシンドローム |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、メタボリックシンドロームをはじめとした様々な疾患に対し、乳酸菌などのプロバイオティクスの摂取の有効性が報告されている。日本では古くから漬物などの発酵食品を摂取する文化を有しており、富山県の伝統的な発酵食品の一つにアユ熟れ鮨がある。2013年に実施された成分分析により、熟成日数と比例してアユ熟れ鮨中の乳酸菌や遊離アミノ酸量が増加することが明らかとなった(アユ熟れ鮨研究会、2013年度日本海学研究グループ支援事業研究成果)。アユ熟れ鮨には単なる発酵食品という位置づけのみならず、プロバイオティクス食品としての新たな価値や未知の機能性物質の探索源としての可能性があると考えられた。そこで本研究では、アユ熟れ鮨のメタボリックシンドロームに対する影響を調べるために、肥満・2型糖尿病マウスにアユ熟れ鮨を与える摂食実験を行い、採取した血清や病理組織などを用いてその有効性を検討した。実験では混合飼料(粉末飼料にアユ熟れ鮨(重量比で10%)を混ぜたもの)を与える(摂食)群と繁殖用飼料を与える(通常食)群を設け、摂食群には混合飼料を5週齢から24週齢(実験終了時)まで与え続けた。摂食群と通常食群の体重は、平均体重で比較すると摂食群の方が12週齢以降から体重の増加が緩やかになり、24週齢時では摂食群の平均体重は軽かった。また内臓脂肪の病理組織比較では、24週齢時では摂食群の方が脂肪細胞の大きさは小さい傾向が認められた。一方その他の病理組織では、摂食群と通常食群の間に顕著な違いは認められなかった。血清を用いた各種成分測定では、トリグリセリド、AST、総コレステロール濃度は24週齢時において摂食群の方が有意に低かった。このような結果から、アユ熟れ鮨には継続して摂取することにより、肥満 ; 2型糖尿病マウスにおいて、その体重やトリグリセリド濃度などの増加を抑える効果があるものと推察された。
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