分子イメージング法を用いた紅藻ソゾ属のハロゲン元素動態の検討
Project/Area Number |
15H00466
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農学・水産学
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野矢 洋一 北海道大学, アイソトープ総合センター, 技術専門員
|
Project Period (FY) |
2015
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
|
Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | ソゾ / 臭素化合物 / 分子イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
<研究目的> 本研究は、紅藻ソゾ属における臭素代謝機構の検討のため、臭素化合物の安定同位体分析と放射性同位体分析の両面からハロゲン取込みや生体内分布、含有ハロゲン化合物等の解析を行い、ハロゲン代謝物の動態を検討することを目的とした。 <研究方法> 採取したウラソゾ(Laurencia nipponica)をメタノール、エーテル、ヘキサンで連続抽出し、LC/MS、GC/MS分析に付して含有成分を解析した。同時にウラソゾ本体を質量分析イメージング分析に付し、これらの化合物の生体内分布の測定・解析を行った。また、既に報告した臭素-ヨウ素置換反応を利用した放射性ヨウ素を用いた臭素化合物のRI分子イメージング法(平成23年度科学研究費(奨励研究))で用いた手法と合わせてハロゲン代謝物の動態を検討した。 <研究結果> LC/MS分析の結果、本種の含有臭素化合物の主成分はlaurencin, diacetyllaurencinであった。引き続き実施した質量分析イメージング分析によって、両化合物は体表面近傍に高濃度で存在する他、藻体内部の細胞にも存在が示唆される結果となった。一方、RI分子イメージング法を用いた解析により、臭素化合物の生成は藻体表面、特に先端部等で著しいことが示唆されている。従来、これらの化合物は表面細胞内のサクランボ小体中で生成、蓄積されることが報告されており、今後、生成と蓄積、あるいはその後の挙動を含めた検討が必要である。 ソゾ属におけるハロゲン化合物の分析、合成経路の研究等は既に多くの報告がある。しかし、これらの物質の2次元分布(イメージング)に関する報告はほとんどなく、本研究で実施した安定/放射性同位体の分子イメージング研究は、臭素化合物の動態等を解明するうえで極めて有効な手法であると考えられる。本法を用いて、より多くの臭素化合物・前駆体等の同定と分子イメージングを実施することにより、ハロゲン代謝物の動態解明につながることが期待できる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)