Project/Area Number |
15H00491
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅰ
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大畑 瞳 筑波大学, 附属病院薬剤部, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 薬物相互作用 / タクロリムス / アゾール系抗真菌薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
重症筋無力症で免疫抑制薬のタクロリムス(TAC)を使用中の患者に、アゾール(AZ)系抗真菌薬のミコナゾール(MCZ)・ボリコナゾール(VCZ)を併用したところTACの血中濃度が急上昇し、腎機能障害・血清カリウム値の上昇が認められた。薬物代謝酵素CYPを介したTACとAZ系抗真菌薬の薬物相互作用が疑われた。現在までにAZ系抗真菌薬の血中濃度測定を行い、MCZとVCZの血中濃度は、両剤の併用時に、それぞれを単独で使用しているときよりも上昇していた。MCZとVCZの併用により両AZ系薬剤の血中濃度が上昇し、これによってCYPが強力に抑制されTAC血中濃度が上昇したと考えられた。 またTACは薬物代謝酵素CYP3A4/3A5で代謝されることが知られている。CYP3A5には代謝能が低いタンパクを作る遺伝子多型(*3)がある。本症例でCYP3A5遺伝子多型を解析したところ、CYP3A5*3/*3と判定され、本症例においてはTACの代謝はCYP3A4に強く依存していることが推察された。すなわち、2種のAZ系抗真菌薬がCYP3A4にその代謝を受け、さらにTAC代謝もCYP3A4に依存する状況であったことが予想され、これがTAC血中濃度を強く上昇させた背景だと考えられた。
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