Project/Area Number |
15H00509
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅲ
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大澤 隆志 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2015: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ボルテゾミブ / 炎症性サイトカイン / 多発性骨髄腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
多発性骨髄腫の治療薬であるボルテゾミブの臨床効果には個人差がある。我々は、先行研究としてボルテゾミブ静脈内投与患者において、全血中のボルテゾミブ濃度が血漿中と比較し高濃度であり、全血中のボルテゾミブが高い血球移行性を示し体内に長期残存することを明らかにした。さらに皮下投与患者におけるボルテゾミブの体内動態が静脈内投与患者と似ていることも明らかにした。一方で、ボルテゾミブの体内動態と治療効果や有害作用との関連性は明らかとなっていない。本研究は、ボルテゾミブの治療効果を示すマーカーとして、炎症性サイトカインに着目し、ボルテゾミブの体内動態との関係を明らかにすることを目的とした。 本研究は、浜松医科大学病院において、多発性骨髄腫に対しボルテゾミブの皮下投与を施行した患者を対象にボルテゾミブの全血中濃度と炎症性サイトカインであるTNF-α、IL-6の血漿中濃度の変動との関連を評価した。 本研究の成果については、多発性骨髄腫患者において、血漿中TNF-αおよびIL-6とボルテゾミブの体内動態パラメーターとの関係について明らかにした点である。具体的には、ボルテゾミブ投与患者において、血漿中TNF-αおよびIL-6が低値で推移した。また、血液中ボルテゾミブ濃度がサイクル内で上昇するが、血漿中TNF-αおよびIL-6は、サイクル内で低下せず、血液中ボルテゾミブ濃度と血漿中TNF-α、IL-6との有意な相関は認められなかった。 本研究の意義および重要性については、ボルテゾミブに対して有効であった患者において、治療期間内でのボルテゾミブの血中動態と治療効果のマーカーである炎症性サイトカインとの関係は示されなかった。しかし、ボルテゾミブの体内動態と多発性骨髄腫の疾患活動性に関連する炎症性サイトカインとの関係は、ボルテゾミブ耐性例・不応例の判定に有効である可能性が示された。
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