肺移植患者における腎機能に応じたバルガンシクロビル予防投与の検討
Project/Area Number |
15H00514
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅲ
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
川西 秀明 岡山大学, 岡山大学病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2015: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | 肺移植 / バルガンシクロビル / 腎機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の目的】 肺移植後において、サイトメガロウイルス(CMV)は最も注意しなければならない感染症のひとつであることからバルガンシクロビルの予防投与が行われている。しかしながら、バルガンシクロビルの有害事象である白血球減少がしばしば問題となっている。これまでの症例から白血球減少は腎機能低下患者で多い傾向がみられており、白血球減少と腎機能にはなんらかの関連があると予想される。本研究では、バルガンシクロビル投与による白血球減少と腎機能の関連について調査するとともに、白血球減少を防ぐための対策について検討を行った。 【研究方法】 2005年2月から2014年3月に当院にて肺移植手術を受け、バルガンシクロビルを投与された患者のうち、18歳未満および再移植症例を除く65名を対象とした。対象を白血球減少群と白血球非減少群に分け、性別、年齢、術式、CMVアンチゲネミア、原疾患、投与前後のクレアチニンクリアランスおよびバルガンシクロビル投与量についてレトロスペクティブに調査し、白血球減少との関連について検討した。 【研究成果】 年齢およびCMVアンチゲネミアにおいて白血球減少との間に関連が認められた。腎機能は白血球減少群で有意に低い結果となった。また、バルガンシクロビル投与量は白血球減少群と非減少群で有意な差は認められなかった。これらの結果から、高年齢、CMV感染および低腎機能がバルガンシクロビル投与中の白血球減少のリスク因子であることが示された。また、白血球減少群では腎機能が低いにも関わらず、高用量のバルガンシクロビルが投与されている傾向にあることから腎機能に応じて減量を行うことで白血球減少を回避できる可能性があると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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