Project/Area Number |
15H00516
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅲ
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
桐野 靖 徳島大学, 病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2015: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | DPP4 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】 Dipeptidyl peptidase 4 (DPP4)阻害剤は、近年開発された糖尿病用剤であり、これにより2型糖尿病の薬物治療の動向は大きく変化した。当院の使用状況を調査してみても、DPP4阻害剤の処方頻度は急激に増加しており、上市から数年で今では最も使用率の高い糖尿病用剤である。 しかし、糖尿病の薬物治療においては、therapeutic drug monitoring (TDM)が実用化されておらず、年齢や肝・腎機能等に応じた薬の適正量や中毒・副作用の早期発見、ノンコンプライアンスの確認などに対する客観的指標が不足しているのが現状である。 そこで筆者は、病院に勤務する薬剤師として、血中DPP4 活性測定の実用化ならびにバイオマーカーとしての臨床応用の可能性について検討を試みた。 【方法】 徳島大学病院の糖尿病専門医と検査部に協力を得て、通常診療で採取した血液の余剰検体を入手した。薬剤部で血中DPP4活性を測定し、当該患者の基本情報(年齢、性別、BMI、腹囲、飲酒・喫煙歴、血圧、脈拍数、肝機能、腎機能、脂質、尿酸値、HbA1c、血糖値等の生化学検査値)や糖尿病等の重症度(糖尿病性合併症の有無)とその治療内容、治療成績との関連性を調査した。 【結果・考察】 2016年3月31日までに、75名の患者より本研究参加の同意を取得し、血中DPP4活性を測定した。現時点においては統計解析するに十分な症例数には達しておらず、血中DPP4活性と患者基本情報等との関連性について明確な成果は得られていない。しかし、DPP4阻害剤を使用した患者においては血中DPP4活性は低下しており、投与量の設定や服薬コンプライアンスの確認など血中DPP4活性を測定することの意義や実用性は示唆された。 今後も本研究を継続し、血中DPP4活性測定の臨床応用の可能性について検討を試みる。
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