妊婦におけるクロラムフェニコール膣錠の血中移行性と安全性の評価
Project/Area Number |
15H00525
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅲ
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
原内 智慧 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2015: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | クロラムフェニコール膣錠 / 妊婦 / 血中移行性 |
Outline of Annual Research Achievements |
クロラムフェニコール(CP)膣錠は、妊婦における細菌性膣炎に対して使用される。CPが母体へ投与された場合、胎盤移行性が良いことが知られており、CP膣錠には母体に対する局所作用が必要となる。添付文書上、CP膣錠使用時にCPは母体の血中へ移行しないと記載されているが、妊婦における高感度測定法を用いた血中移行性の評価は十分に実施されていない。本研究では、細菌性膣炎の妊婦におけるCP膣錠の血中移行性を定量的に評価し、その関連因子を明らかにした。 対象は、浜松医科大学病院において細菌性膣炎に対してCP膣錠を使用した妊婦とした。CP膣錠使用開始2日目以降の投与直前に採血を行った。血漿中CP濃度をLC-MS/MS法にて測定(定量下限、100pg/mL)し、その血漿中濃度と母体の関連要因として、投与日数、母体臨床検査値(CRP、肝機能・腎機能検査値、白血球数)、開始時妊娠週数および経産数を評価した。また、血漿中濃度の新生児への影響として、出産週数、出生体重およびアプガースコアとの関係を評価した。本研究は浜松医科大学の倫理審査承認を受け実施した。 CP膣錠を使用したすべての妊婦の血液よりCPが検出され、その濃度範囲は50ng/mL以下であった。また、細菌性膣炎の妊婦において、血漿中CP濃度には個人差が存在することが示されたものの、その濃度は静脈内投与時の治療域(5-20μg/mL)と比較し、極めて低値であった。血漿中CP濃度と投与日数との関係では、有意な負の相関が認められた。また、反復投与に伴うCPの血中における蓄積性は確認されなかった。一方、投与日数以外の血漿中CP濃度との関連因子は認められなかった。 CP膣錠を使用する細菌性膣炎の妊婦において、CPの血中移行性が確認された。さらに、その血漿中濃度には個人差も認められ、投与日数とともに血中移行性が低下することが確認された。
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Report
(1 results)
Research Products
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