テイコプラニンの適正な負荷投与実施にともなう有効性・安全性の評価
Project/Area Number |
15H00544
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅳ
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
今村 政信 国立大学法人長崎大学, 病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2015: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | テイコプラニン / 2日間負荷投与 / 有効血中濃度 |
Outline of Annual Research Achievements |
テイコプラニン(以下、TEIC)は半減期が長く、血中濃度が定常状態に到達するまでに時間を要する。そのため、負荷投与することが添付文書に明記されており、早期に有効血中濃度域まで到達させることが必要である。しかし、実臨床では添付文書用法では不十分であり、治療に失敗する例が報告されている。そのため『抗菌薬TDMガイドライン』では、十分な治療効果を得るには、2日間負荷投与を行うことが推奨されている。しかし、2日間負荷投与を評価した報告は少なく、その推奨レベルは高くない。そこで、本研究では薬剤師介入によるTEICの2日間負荷投与推進への取り組みと、その評価について以下の方法により行った。2014年3月1日からTEICが処方された全症例に対し、薬剤師が2日間負荷投与の推奨を行っている。また、電子カルテより2日間負荷投与の有用性の指標として、血中濃度トラフ値、投与期間、解熱に要した期間、全入院期間、TEIC投与前後でのクレアチニン値、肝機能値の変化および重篤な有害事象の発生の有無について後方視的に調査を行い下記の結果を得た。2日間負荷投与を行っていた症例は薬剤師介入により55.6%から85.7%に増加した。初回投与日から3日目または4日目に血中濃度トラフ値が10μg/mLを超えていた割合は、1日間負荷投与群で54.5%、2日間負荷投与群で78.9%であった。15μg/mLを超えていた割合は1日間負荷投与群で18.2%、2日間負荷投与群で21.0%と両群とも低かった。投与期間、解熱に要した期間、全入院期間に有意差は認められなかった。2日間負荷投与を行ったことでの有害事象の増加は認められなかった。 以上のことより、薬剤師介入により2日間負荷投与を行った症例が増加し、早期にトラフ値が治療有効域の10μg/mLを超えることが示唆され、さらに安全性に問題ないと考えられた。しかし、専門家が推奨するトラフ値15μg/mLに到達させるには1回量が400mgでは少なく、1回量の増量、負荷投与回数の増加等を検討する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)