医薬品一包化調剤時の配合変化に関する薬学的検討と適正調剤に関する研究
Project/Area Number |
15H00545
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅳ
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
岩山 訓典 旭川医科大学, 大学病院, 薬剤師
|
Project Period (FY) |
2015
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
|
Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2015: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 一包化調剤 / 配合変化 / アスピリン |
Outline of Annual Research Achievements |
サンプル : アスピリン(ASA)腸溶錠100mgとテルミサルタン(TEL)錠40mgを1錠ずつ一包化した。 保存条件 : 両薬剤が接触した状態で恒温恒湿器内に温度を30℃、湿度は75%RHまたは93%RHの条件下において1週間静置した。 評価法 : 日本病院薬剤師会「錠剤・カプセル剤の無包装状態での安定性試験法について(答申)」に従った。 結果 : 配合(形状)変化 : 両湿度条件でも変化が確認され、特に93%RH条件下では、TELの外観変化は著しく、以後の評価に影響を及ぼす可能性があるため、30℃/75%RH条件を採用した。 ・重量変化 : 保存前と比較して、両錠剤とも増加したことから吸湿の関与が示唆された。 ・硬度 : 両薬剤とも低下する傾向が見られたが、いずれも規格値内であった。 ・溶出試験 : ASA溶出率は40%であり、規格値外となった。また、ASAの分解物のサリチル酸は、増加した。 TELでは大きな影響は見られず、規格値内であった。 ・含量試験 : ASA腸溶錠のみ実施した。ASA含量の低下が認められ、規格値外となった。 ・形状変化の原因探索 : ASA腸溶錠とTEL以外のアンギオテンシン受容体抗薬、ASA腸溶錠とTEL錠80mg (フィルムコーテング錠)との組み合わせでは、配合変化は観察されなかった。配合変化は、腸溶錠コーティング剤とTELとで反応している可能性が示唆された。 ・他の配合変化の組み合わせ : ラベプラゾール錠(腸溶錠)とTEL錠40mg (裸錠)との組み合わせでは、ASAと同様の配合変化が見られた。 ・配合変化の回避方法 : 一包化の薬剤を密閉容器に保管し、30℃/75%RH条件下で静置したところ、配合変化は見られなかった。 以上のことから、配合変化したASA腸溶錠を患者が気付かず服用してしまうと、ASAの薬効に影響を及ぼす可能性が考えられる。配合変化は、腸溶製剤とTEL錠(裸錠)の組み合わせで高湿度状態により起こる可能性がある。そのため、乾燥剤存在下で保存するなどの湿度対策ができれば、配合変化を防止できると考えられる。 本研究は、患者の一包化で服用できるベネフィットの低下を防ぐのに貢献するものである。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)